レイク活用術と生活の知恵

池田内閣は計画達成の手段として、産業基盤の充実を目標とし、京浜、阪神、名神など「太平洋ベルト地帯」の拠点開発を進め、このあたりを中心とした工業用地が大きく値上がりしました。 翌六一年には地価が対前年比で四二・五%上がり、不動産投資ブームの先駆けとなったのです。
持ち家志向を含めた不動産信仰を決定的にしたのは、高度経済成長期の地価の上昇で二番目は一九七一年、田中角栄内閣が打ち出した「列島改造論」による地価高騰です。 田中元首相は日本海沿岸や山間の過疎地帯にまで経済成長の成果を配分しようと考え、太平洋側に集中している工業地帯を全国の拠点都市に分散し、新都市間を新幹線と高速道路でつなぎました。
これだけでも地価が上昇する要素は十分ですが、同時にドル・ショックが起き、その対策として金融緩和を行ったところ、あまったお金が不動産に流れ込みました。 結果として、地価高騰は改造論の対象地域に限らず日本全土におよび、東京圏の地価は前年比三六%まで上昇しました。
そして三番目が、あなたもご存じのバブル景気です。 八五年のプラザ合意を受け、大蔵省、日銀は大幅な金融緩和策をとりました。

八六年一月に公定歩合を五%から四・五%に引き下げたのを皮切りに、八七年二月に二・五%に引き下げるまで、計七回の引き下げを行いました。 この超金融緩和策により、だぶついたお金が不動産市場や株式市場に流れ、不動産や株が高騰したのです。
そのころ私はロンドンにいたので、比較的冷静に日本の状況を判断できました。 当時の地価高騰は明らかに異常でした。
しかし、日本にいた銀行員は異常に慣れてしまい、歯止めがかからなくなっていたようです。 仮に良識をもって歯止めをかけようとしても、日銀がそれを許しませんでした。
聞いた話ですが、当時の某信託銀行の新宿支店長は良識のある人だったので、地価高騰を異常に感じ、不動産に対する融資を行いませんでした。 ところが日銀は市場に資金をだぶつかせたかったので、各銀行向けに設けている資金枠を無理矢理でも使わせたかったのです。
日銀が調べると某信託銀行の新宿支店が全然、不動産融資をしていませんでした。 そこで日銀は将来資金が逼迫した場合でも某信託銀行向けの資金枠を削って融資ができなくしてやるぞと脅しにかかりました。
某信託銀行は日銀の圧力に屈し、その新宿支店長は左遷させられ、後任の支店長は本部の指示通り不動産融資を積極的に行いました。

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